私は実のところ幸せに興味がないのかもしれません。
思えば世の理とは敢えて逆の道を好んで歩いて来たような気すらします。
その一方、もう1人の私は厄介な事に世俗に塗れた極々ありふれた虚栄心にまみれたちいさなひとりでした。
どちらも私ではありますし、愛すべき存在かなと。
あの日までは。
さんぽみち。
空が落ちてきたのです。
もう一度。
空が落ちてきたのです。
私は泣きました。
もう一度。
私は泣きました。
ただそれだけの事がありました。
ただそんな事があったのです。
私は変わってしまいました。
私が消えてしまいました。
私が消えると夜空がありました。
夜空だけがありました。
光と闇がありました。
闇と光だけがありました。
そして唄が生まれました。
言葉の無い唄です。
どこまでも響く唄が。
誰にも聞こえない唄です。
わたしのうた
あなたのうた
わたしたちのうた
いのちのうた
そんざいのうた
うた。